久しぶりにロッキンオンジャパンを買った!

(ここでお客様に注意。以下、ロッキンオンって書いたら基本的にはロッキンオンジャパンと洋楽誌のロッキンオンがごっちゃになったイメージの雑誌のことです。まあ厳密に書こうとなんて毛頭してないので、雰囲気で読んでくださーい。)

目当てはもちろん表紙の峯田、30000字インタビュー!といいつつまだ斜め読みしただけでちゃんとは読んでないんだけど、とりあえず「暗黒との闘争人生を語る」っていう表紙のキャッチにげんなり、いまだにロッキンオンはこんなこと言ってんのかと驚き半分あきれ半分。しずちゃん、21世紀だよ?南海キャンディーズ山里でなくても思わずそうつっこむっつうの。今時「心の闇」って。昔ロッキンオンを買ってた頃と何にも変わってないじゃんかと。まあそれがロッキンオンスタイルだから変える必要とか無いのかもしれないけどさあ、「心の闇」との格闘が表現者を表現に向かわせる、っていう物語の鋳型で、今までどれだけの表現者たちが紋切られてきたのだろう。そんなのはもう古いとか通り越してもはや滑稽。ってレベルの話でしょ、と思いつつも、やっぱ、「心の闇」物語、超おもしれえぇぇぇ!!どんな人でも幼少期のトラウマとか思春期の苦い思い出なんて普通に持ってるに決まってて、あと、日々の生活の中でふと心動く瞬間とか、さりげない感動とか、そういったハッピーなイベントだって何らかの形で起こってるのが普通で、それを「心の闇」だの「希望への序章」だの言うとなんでこんなに面白いんだろう。いやあ、これからもいろいろなアーティストの「心の闇」をばんばん暴いていって欲しいものです。イヤミっぽく言ってるけど、それなりに結構本気。


思えばロッキンオン文法の信者だった私でした。高2でロッキンオンJAPANを買い始め、高3で本家ロッキンオンも少々(すぐ買わなくなったけど)。何にせよ、「音楽を語る言語」として僕が最初に身につけたのはロッキンオン語だったわけで、つまり音楽を語るに際して僕はロッキンオンネイティブなのです。ちなみに第1外国語はbuzz、第2外国語はsnoozerなんだけど、どっちも結局は、「インタビュアーが聞きたい物語をインタビュウィーに語らせる」というロッキンオン方法論を否定しつつ便利なところでは踏襲してる点でロッキンオン文法の亜流、って言ったら言葉はわるいな、ええと、系譜な気がするし。ってまあ、大体インタビューって「こっちの聞きたかった話を作り上げるのに必要な情報を相手から聞き出そうとする」ってもんだと思うし、そうじゃないインタビューなんて焦点がぼやけて読んでてつまんないだけだから、それはそれでいいんだけど、ロッキンオンの場合、その悪魔的に心に焼き付くアジテーション相まって、特にその傾向が顕著な気がする。そんな言語を最初の最初に身につけてしまった、というか「唯一正しい」と思い込んでしまった僕としては、今後もこういったロッキンオンの方法を面白いと思い続けるんだろう。これからもずっと、ロッキンオンのこの方法論は今とそして昔と変わらずにあってほしい。


もちろん、昔(っていっても5年とか6年とか前なだけだけど)と変わってる所もたくさんあって、ロッキンオン信者じゃなくなった(と信じたい!)今なら、そういった変化もそれはそれで楽しめる。「オトナの余裕」ってやつね。うわ、カッコ悪!とにかく、扱われるミュージシャンの顔ぶれは劇的に変わった(といいつつ電気は健在!)し、JAPAN TIMES.も昔と全然違ってて、そういった変化は素直に面白かった。確かにGLAYが表紙だの浜崎あゆみが表紙だのに「ああロッキンオンももう終わりだ」とか思ってた時期もありました。でももう、そんなの全然飲み込めます。表紙がつんくになって「つんく♂、絶望と欲望のロック原風景に迫る!」とかなっても笑って許せるくらいにはオトナになりました。ORANGE RANGEが30000字インタビュー受けて「パクることが俺たちなりのリアルなロックなんですよ」とか言っててそれがページの見出しになってても鼻歌歌いながら抱きしめられます。あ、別にORANGE RANGE嫌いじゃないよ。とにかく、変わっていくロッキンオンもいいものです。


これからも1年に1回くらいロッキンオンを買って、その変わらなさを、その変化を、追い続けていきたいなあ。と思った金曜日でした。


ついでに、ロッキンオンジャパン3月号、その他感想など。
1:
くるり岸田の写真には笑った、っつうか最初だれだか全然わかんなかった。骨格そのものが変わってない!?
2:
赤犬HALCALIの写真が見られて嬉しかった。
3:
後藤真希のインタビューで「ロックなんて普通聴きませんよね 」発言について宇野さんが聞いてて、しかもそれが人様のコーナーで、さすが宇野さんだと惚れ惚れした。
4:
そういえばレミオロメンのアルバム出たらすぐ買わなくちゃ。