奇跡の海

今日は「奇跡の海」をちゃんと見終わった。
つらいつらい映画なんだけど、最後の最後に鐘がなった。浪花節がやってきて素直に良かったよ。
ラース・フォン・トリアーは人間の醜い部分とか社会の抱える闇とかに決して目を背けないし、露悪的なまでにそれを映像にしちゃう怖い人だけど、最後の最後で人間が大好きなんだと思う。奇跡の海もダンサーインザダークもドッグヴィルも(まあこの3つしか見てないんだけど)、絶望的な状況、人間の精神状態にとって限界をはるかに超えた地平、そんな光景を冷酷に描く。それなのに、その世界を生きる登場人物は決して忘れない。放棄しない。ほんのささいな喜びや、抱えきれない大きな愛を、最後まで。
惨めでちっぽけだけど、どこまでも気高くて崇高な魂。


それにしてもエミリー・ワトソンってかわいすぎるな。「本当のジャクリーヌ・デュプレ」もやばかったし。あの笑顔は魔物です。