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HALCALIの新譜(ASIN:B000BNM82O)が良すぎるから日本中が今すぐ聞けと。
ケツメイシの「さくら」をYUKIの「JOY」みたいなアレンジにした感じ。HALCALI文脈で言えば、bikkeが作った「Hello, Hello, Alone」にも通じる切ないナンバー。
HALCALIって都会っ子でセンス良くてドライ、言ってみりゃ透明な器みたいなもんで、色んなプロデューサーがあの手この手で紡ぎ出しHALCALIにぶつけてくる「ティーン少女への欲望」を常に完璧な形で再現してきた。ものすごく高性能のジュークボックスっていうか、ポップソングにおける究極のシャーマンというか。で、今回のシングルでは、そのポテンシャルを「泣き」にアプライした結果すばらしい名曲が生まれちゃった。叙情と泣きのバランス感覚が飛び抜けてるから、クサくなりすぎないのずきちんと泣けるのかな。
しかも「透明な器」でありながら、そのギリギリのバランス感覚で彼女たちの実存を作品に投影できているのがすごい(プロデューサーの力なのかもしれないけど)。思春期特有のもろさとかはかなさとか、ハルカとユカリがリアルタイムでそういう季節を通過中である分だけ冒頭に挙げたケツメイシの歌う世界よりも切実でハートに響くし、翻ってそのことがものすごい強度のポップさを生み出している。なんてね。
これと言った「ウリ」が無いのにとにかくリピートが止まらない名曲ですね。