ミュンヘン

当直明け(って言っても処置見てただけ)で一睡もしてない中、急に映画見たくなって「ミュンヘン」見てきた。感想っていうか結論なんだけど、まあはっきり言うとあれだ、今パソコンの前でくだらない人生の中でもとりわけくだらない一瞬を積み重ねているお前らはバカだ。モニター・眼鏡・眼球が皆既日食みたく3点セットで並んでるんでしょ?もう憐れ。真ん中に位置するメガネの、凸だか凹だかのレンズ部が憐れ。
俺はモニターでくだらないblogとかお前に読ますために小汚い耳やら鼻やらにひっかかってんじゃねえぞ!ちゃんと俺を通して価値あるものを見なさい、ミュンヘン見に行きなさいミュンヘン。わき見ミュンヘン!なーんちゃって。
そういう、眼鏡の声なき叫びが僕の耳には痛いほどに聞こえてくる。まあ、寝てないから幻聴が聞こえてるだけかもしれないけども。そしてダジャレの切れもいつも通り今一つだけども。


さて「ミュンヘン」の何がすばらしいか、ミュンヘン堂大学医学部医学科としてきちんと世に伝えなくてはならない。やはりダジャレの強引さに一抹の不安は残るものの、この映画のすばらしさは完璧に理解した。おすぎと同じグラデーションの眼鏡かけて見てきたんだから絶対の自信がある。もちろん、すばらしさと一口に言っても難しくて数限りない感動が押し寄せるのだけれども、その言葉にならない感動を敢えて一言で表そうとするならば、それは「主人公が平井堅に似ている」ここに尽きるだろう。似すぎ。っていうかあれは平井堅の妖精。間違いない。暗い部屋で椅子に座ってうなだれていた主人公が顔を上げた瞬間!あのシーンで主人公の堅が「大きな古時計」を歌い出すことを予想しなかったやつがいるだろうか。日本人ならいるわけがない。スピルバーグは本気だ。
スピルバーグの本気さはタイトルからもうかがえる。「munich」っておいおい!監督、勢い余ってスペル間違えちゃってるし!みんなも承知の通り、「ミュンヘン」っていう日本語の正しいアルファベット表記は「myunnhenn」だ。小学生でも知ってる。それを間違えちゃったくらいに、監督は作品にのめり込んでいたってことなんだろうと思う。


まあそんな感じで、見終えた後にふざけることしかできないくらいすばらしい映画だった。
人種、宗教、国家、そして家族。まあ僕はそれらに口出しをしてどうこう言える立場にはないけど、センセーショナリズムの汚名をかぶることを敢えて潔しとし、それでも現在のこの、憎しみが新たな憎しみを呼ぶこの世界に対してコミットメントを挑む、絶望にも似たスピルバーグの姿勢は目眩がするほどに神々しいと思った。