たか子

おぎやはぎ、じゃなくてふくらはぎ(腓腹筋)のやけに発達した女の人っているなあと。そんなに運動している風でなし元から筋肉質なわけでなし、むしろ身体の他のラインは極めてゆるやかで、男女差別を恐れずに敢えていうならば非常に「女性らしく」て見目麗しいフォルムなのにふくらはぎにだけ異様な立体感のある人。いや、もはや立体感どうこうじゃなくてふくらはぎに説得力のある人。ヒールやミュール、はいたことないから正直よくわからないけど、それら踵の高い靴で常に「背伸び歩き」を続けてきた結果、腓腹筋が驚異的な発達を遂げ、ある種の説得力を勝ち得たということなのだろうか。まあ自分でも、何を「説得」されようとしているのか全くわからないが。


まるで雑誌から飛び出してきたみたいなかわいらしい格好をして、愛くるしくしかし決して華美ではないメイクを自らに施し隙無く髪を整え、いわゆる「女性」としての喜びを特権的に享受しながら街を歩く。きれいに着飾った自分に(悪い意味じゃなくて)「酔いしれる」姿は傍目から見ていてとても気持ちのよいもの(単純にきれいな上に、そういう時の表情にはまっすぐな「自信」みたいなものが溢れていて輝いていると思う)だし、彼女たちにとってもそれは一つの「夢の国」なんじゃないかと勝手に思ったりするんだけど、いかんせんそこでふくらはぎの立体感と説得力がジャマだったりする。丁寧に構築された夢の国にあって唯一の、アキレスの踵。言わばふくらはぎにだけ土井たか子が住んでいるのだ。街頭演説中なのだ。そこには圧倒的な現実味が悲しいかな宿る。嗚呼、それほどまでにかわいらしく/キレイにきめているのに!たか子!


また、上腕二頭筋(力こぶができるところ)がこれまた異常に発達している女性も世の中では散見される。これはおそらく、男から見れば無駄とも思える程に重たいカバンを「手さげスタイル」で携帯するという、腕立て伏せなんて1回もできないくせになぜ!?みたいな奇習に起因する現象と考えられる。
さらにこの上腕二頭筋肥大は前述の腓腹筋肥大と高率に合併することも興味深く、上腕はハルク・ホーガン下腿は土井たか子みたいな女性が道行く人々を見るに結構な確率で歩いていたりする。そういう人は大抵、服も化粧も髪も仕草も「女らしい」を絵に描いて餅で巻いたようなきれいな人だったりして、HDS(ハルク・ホーガン土井たか子 症候群)による「奇形」あいまってますます素敵だ。かなり理想的な「ブサかわいい」の境地といえる。鮮やかな日射しが彼女たちを照らすとそれだけでアイスコーヒーがちょっと美味しくなった気がする。揺らぐアスファルト、氷がグラスにあたる音、土井たか子。夏も近い。


先日より受験仙人を名乗ったものの(id:shoshoshosho:20060701)喫茶店で勉強しながらずっとそんな感じで外を見ていたら勉強が一向に進まない。主食はカスミ…。