演奏会の話と同級生の話

午前は芸大のモーニングコンサートっていうのに行ってきた。2曲あったんだけど演奏者は共に大学4年生。かっこよかった。研ぎ澄ました生き方をしている人ってなんてかっこいいんだろう、かっこいいことはなんてかっこいいんだろう。僕には一生かかってもたどりつけない舞台の上で彼/彼女は晴れがましく拍手を受けていた。
午後は学校に戻って必要な書類を用意しがてら同級生と色々と話してたら、みんながみんなそうかはわからないけど全体として「これから医者になって、臨床に研究にがんばって、医学の世界でひとかどの人物になり名をあげたい(つまり、出世していきたい)」そんな希望の上昇曲線と、それを実践していくための強い意思をすごく感じた。それは、僕が自分の興味とやる気と能力に限界を感じてとっくにドロップアウトしてしまった世界だった。


コンサートの人、医学部の同級生たち。そういうまぶしい生き方は僕にはできそうもない(能力以前に努力もしてない…)から、「自分なりの満足」「日々のしあわせ」っていう負け惜しみを大切にしながら生きていくしかないなあと思った。


あと、演奏とか出世とか、そんな風に「とがった」生き方をしているわけじゃないけど、毎日の生活に宿る喜びを一つ一つ、心の底から享受して生きていける人もすごい。そういう人たちの表情にある「深み」にはただただ圧倒される。僕みたいに負け惜しみとして「満足」「しあわせ」とか言っちゃって、ヒロイックな逆説にひたっている人間には決して真似できない、あたたくて柔らかな空気をもっている。


あーほんと、周りのみんなってすげえなあ。