psy

精神科の研修が終わった。楽しすぎた、あるいは、楽し杉田玄白だった(医者っぽいジョーク)。この1ヶ月でやったことと言えば熱帯魚を飼う水槽を組み立てたくらいのものだけれど、いや、オーベンその他、多数の先生方の前で酔いつぶれ記憶を無くしタクシー連行になったりもしたけれど、進路はどう見ても精子、ではなくてどう考えても精神科です。本当にありがとうございました。


専攻する科が(仮にでも)決まっている状況はこんなにも気が楽なのか、スーパーローテーション時代を生きる研修医として暮らしやすいことなのか。と感嘆することしきりだ。「僕は○○科に行きたいんです!」と初年度4月の段階で(あるいは大学生時代から)言える人だけに許された「僕はお天道さまに堂々と顔見せできます」的なオーラは実にまぶしかった。各ローテーションの頭で必ず聞かれる「で、君は何科に進む予定なの?」に「まだ決まってないんですよ〜」と答える時のあの、グレーゾーン特有の何とも言えない後ろめたさ。モラトリアム独特の申し訳なさ。あれがない。サンタモニ科です、と適当な返答をひねり出す必要がない。次にお世話になる科からは「精神科に行こうと思っています」と答えられることを思うだけで気が楽だ。


精神科は本当に楽しかった。「精神科?あー、あっちの惑星(ほし)の人ね…」と煙たがられることもあるかもしれないが、せっかく好きな科に行けるシステムなのだから好きな科に行こうと思う。身体疾患を見られなくなってしまうのは重すぎる心残りなのだけれど。まあそこら辺は長く生きていたら自分に納得がいくような場所に流れ着くだろう。