フジ '09 2日目

今、残飯がアツい。世界一クリーンなロック・フェスとして名高いフジロック。会場に数多あるゴミ捨て場の脇には「食べ残し」を捨てる専用のザルが置いてあり、そのザルの頂点に盛られているのはついさっきまで器に入っており今まさに処分されたばかりの歴とした食べ物、いわば世界一クリーンなロック残飯なわけだ。なのでヒョイとつまんで食べてみたらやっぱりきっちり美味かった。これはエコだ。塩焼きそば(?)、カレー、チキンなどを美味しくいただいた。勢いにのて、道ばたに落ちてるパンみたいなものもきれいなところを食べてみた。ゴミをゴミと決めるのは自分。ごく私的には、心理的な抵抗感を克服したという誇らしさもありとても意義深い成長をとげたと喜ばしく思っていたのだが、周りにその話を(少々熱っぽく)話すに付け呆れられるばかりだった。そりゃそうだわな。


さてさて、観たのはこんな感じ。

a flood of circle
The Birthday
SEUN KUTI & EGYPT 80
UA(を遠くに聞きながら芝生で昼寝)
筋肉少女帯(をチラ見しつつ通り過ぎアヴァロンで昼飯)
JUSTINE NOZUKA(を聞きながら昼寝2回目)
ZAZEN BOYS
忌野清志郎 スペシャル・メッセージ・オーケストラ
FRANZ FERDINAND
80kidz
THE BLOODY BEETROOTS
THE SHOES


フラッド、初々しくてすごく良い。ベースとギターが音源で聞くよりよっぽど"V"(ビジュアル系)風味でそこがまた新鮮だった。9mmや相対性理論などと合わせ、「様式化した"V"」はその様式性がゆえに音の味付け、パーツとして活躍の機会が増えているのではないか。といったような話をtak1000さんとした。若手バンド達が音楽をやり始めた頃って既にルナシーやら黒夢やらがひとつの「形式」を作り終わり"V"が相対化された後だった。ということなのだろうか(考証ゼロで書き殴り)。
バースデイはアベ供養の意も込めて。有機的な一体感がすごい。初期のチバの曲ってもっとメロディアスというか、他の要素と比較してメロが強目の印象があった。今は「一曲」でどーんとしている。フレーズはより単純で簡潔に。ムダがそぎ落とされているのに色気たっぷり。超かっこいい。
ショーン・クティは期待以上のすごさ。体が動く動く。土と太陽を味方につけるやり方を知り尽くしていた。やられた!



奇跡のように晴れわたった。嬉しかった。


この時点で3バンドが素晴らしすぎ、また昨日の雨が嘘のような晴天に恵まれたこともあり、ビールと焼酎でベロベロに酩酊、人並みの認知機能を取り戻すのに5時間弱を要することになる。筋少は音が太くてびっくり。そりゃあ演奏しっかりしてないとナゴムやれないよなあ。
酔いから回復。
ザゼンが最高だった。ビートもリズムも私の理解の範疇を超えてただただすごかった。圧倒された。最近の路線、本当に大好きだ。しかも遊び心を忘れないのがまたニクい。



3日間がんばり通してくれたマイ・シューズ。奥の方に映っているスキマスイッチさん、顔を載っけてしまってごめんなさい…。


清志郎バンドは、ヒロトのスピーチがよかった。清志郎追悼に寄せて「ロックンロールは死にませんよー。あなたたちが、世界中の子供たちが、笑ったり泣いたりするのをやめない限り死にませんよー。せいいっぱい泣いて、思いきり笑ってください。」 シンプルで力強い言葉を喋らせたらこの人がまごうことなく日本一。
日本の「ロック」跡継ぎ問題はひとまず清志郎ヒロト、この流れはフジロックみたいなタイプの「ロック」が好きな人にとっては既に公然の事実で、ワイドショーなんかで弔辞が流れたこともあり国民的な同意がほぼ成立していると思われる*1。じゃあその次は誰なのよ?話をtak1000とする。これといった決定打は浮かばず。要件は1:国民的な認知度(ヒット曲)がある、2:それでいて上記の意味における「ロック」畑の人間である、3:できれば相棒となるギターがほしい(ミックとキース→CHABO・マーシーの例)。なかなかいないもんですね。



今年のベスト・ニュー・カマーは鮎の塩焼きさんです。ルーキー・ステージを飛び越えていきなりのオアシス入り。となりの日本酒屋台との相性はまさにミックとキース…!ヒロトの次は鮎で決まりではないでしょうか。


フランツ、文句なし。新譜の空気をそのままに、貫禄にあふれかつ人なつっこい極上のステージ。そこらへんの兄ちゃん・姉ちゃんたちと乾杯しまくってしまった。再酩酊期に突入。
楽しみにしていた80kidz。年甲斐もなく最前列に。ライブ感が強く、また音のひとつひとつがアグレッシブで大変に良かった。
その後、職場後輩のオカモトくん、毎年会っている鶴さんと乾杯。誰が出ているかもよく分からないままに踊り、外人さんやら知らない兄ちゃんやらと乾杯していたら3時を過ぎていた。今日はここまで!

*1:おそらく、ハウンド・ドッグやB'z、永ちゃん、サザンなどと「清志郎」の区別がついていない人たちの間ですら何となく。