買い物

ぶらり本屋をのぞくと舞城王太郎の『好き好き大好き超愛してる』がノベルズ版で出ていた。既にハードカバーを持っているにも関わらず、気が付けば嬉々としてそれを買っていた。


好き好き大好き超愛してる。 (講談社ノベルス)

好き好き大好き超愛してる。 (講談社ノベルス)


お気に入りのCDがリマスタリングで再発された時、好きな書籍が文庫化された時、購入する必要はなくても「好きなものを買っている」という事実が単純に嬉しくて少しだけ(ときに異様に)ウキウキする。好きなものにお金を使うことってそれが無駄な買い物であったとしても、いや無駄であればあるほど、「消費の喜び」が素材そのままで味わえるような気がしてすごく楽しい。心がはなやぐ。


あと「好きなミュージシャンや作家のために消費をしている」という事実がそのまま「ファン宣言」であるような気がして、晴れがましいというか「いい気分」になる。ひょっとしたら人は、誰かのファンだからその人にお金を使うのではなくて、気持ちよい消費活動をしたいからこそ誰かのファンになるのかもしれない、そんな錯覚に襲われる(錯覚ではなくて本質な気もする)。


好きな本を買うだけで気分上々、それってすごく幸せなことだな。尿酸値も下がったに違いない。