合衆国

買った。生まれてこの方手を出したことのなかったアレを買ったのよ。グラビア写真集ってやつ。男でも買ったことのある人って実はそんなにいないんじゃないかと思う。

月刊酒井若菜 (SHINCHO MOOK 123)

月刊酒井若菜 (SHINCHO MOOK 123)

月刊酒井若菜。これはすごい、神様からのおくりもの。上記リンクに表紙画像が載らないのが残念でならない。中をのぞく私の頬はゆるみっぱなし、何だか落ち着かなくて椅子から立ちあがってはまた座る、そんな自分がまたカワイイ。
月刊酒井若菜。タイトルからして嬉しさにあふれ、もはや「気品」レベルだと思う。月刊酒井若菜。「マグナ・カルタ」くらいの気高さはゆうにある。

私はそれこそデビューの頃から酒井若菜大好き人間で、とにかく彼女の顔が好きなんだけれど、加えて美人過ぎないところがよい。やや目立つほほの膨らみ、ときに細まる目、やわらかな輪郭、全体にただよう栃木っぽさ。ああ!
常々同じことばかり言っているけれど、ただ端正でキレイな顔立ちだけでは「ウッハー、かわいいなあ!」とならないわけで、何かこう人間くさいところというか不格好なところがあって初めて「ウッハー!」に必要な「自分勝手なオリジナル主観」が投影できるのだ。本当にかわいらしい人に求められるのは「その人にだけ与えられた、絶妙な不細工さ加減」なんだな。酒井若菜の塩梅たるや完璧の一言、もちろん整った顔立ちながら特にあの、表情を崩したときの何とも言えない絶対音感みたいな不細工さ、その熱すぎず冷たすぎずの湯加減はこの10年間私のハートをかき鳴らし続けてきた。

彼女は最大公約数的な「絶対美人」ではないと思う(けなしているのでは全くない)。もっと分かりやすい美人さんはテレビや舞台その他芸能の世界にはたくさんいるだろう。酒井若菜フリークであることを告げると周りから「えー、何で?」的な反応をされることもしばしばだ。

先日いわゆる合コン(なのかあれは?まあいいや)の席で、隣にいたA氏が「じゃあ好きな芸能人のタイプとか言って行こうよ!」とおっしゃって、何が楽しいのかさっぱりわからんが、場の男女は共にわいわい言っている。俺はねえ、戸田恵梨香!とか言っちゃって。
そういうことじゃねえだろうと。その軽はずみな戸田恵梨香!からするに、戸田恵梨香さんが死ぬほ好き好きとかそういうことではなく、「今をときめく若くてきれいな子が好き」ってだけだろう。
そんな「とにかく女は容姿!」めいた発言に話を合わせている女子たちもすごい。空想上の動物のたとえになってしまうが、アウン・サン・マザー・スーチー・テレサくらいに心が広い。

ところがそんなスーチーさん級の天女たちですら、酒井若菜を好きだって言うと「うーん…」となる。おかしいだろう。その価値観で困るのあなた方だろう。
私でしたらオーダーメイドであなただけの不細工ポイントを見つけて差し上げられます」ということを是非アピールしたい!誰がみても美人な人を美人を理由に好きになるよりも、自分だけが美人だと思う美人を好きになる方が余程たのしいのになあ。

たまに出会う酒井若菜ファンに私は確かな共感を抱く。ああきっとこの人は、僕とは全然違った、あるいは共通した視点で酒井若菜のことを好きなんだろうな、自分なりの「好き」を大事にするタイプなんだろうな。それはある意味では「連帯感」とも呼べる感情なのかもしれない。それぞれが独自の裁量で何かを愛し、そこに見出す価値は違えど「そういう風に好きになるのって気持ちよいし幸せじゃない」という理念で連帯する空間。ユナイテッドステイツオブ酒井若菜。私たちは、ユナイテッドステイツオブ酒井若菜です。