ハンパ

何にもすることがない(ホントは学校があるらしいという噂もあるにはある)から何冊か本を読んで、あまりに熱中度が違ったので、大雑把に10点満点で数値化してみる。お勧め度じゃなくて、あくまで自分の中での熱中度。


1:週刊少年ジャンプ29号(5/10 ☆☆☆☆☆★★★★★)
まあ面白い漫画がやはり面白いですね。
以下、雑感。

・ワンピース、銀魂、アイシールド、ムヒョ、べしゃり暮らしは文句なく面白い。
ジャガーがなくて残念。
・最近、こち亀が以前(5年前までくらい?)の活気を取り戻してきていて、「漫画のルール・慣習」に自己言及しながらも素直に笑える漫画になっているのが印象的。
To LOVEるエム×ゼロの「ポストいちご100%」は、エム×ゼロのがまだ面白い(どっちかしか連載が続かないならこっちに生き残ってほしい)と思うんだけど、掲載順位はTo LOVEるの方が上であることだなあ。


2:日本という国(8/10 ☆☆☆☆☆☆☆☆★★)

日本という国 (よりみちパン!セ)

日本という国 (よりみちパン!セ)

これ、最高。よりみちパンセだから中高生が基本ターゲットなんだろうけど、社会常識の全くない僕にとっては「日本」という国のあり方・世界的な位置づけを理解する上で重要な(重要であると筆者が判断をした)事柄がコンパクトにまとめられていて、かつ語り口は極めて平易で、内容面でも語りの手法の面でも「なるほど」の連続だった。
小熊英二さんの本を読むのはこれが始めてなんだけど、この人の視点が本当にやさしい。現在から見て後出しジャンケン的に各事象を評価するんじゃなくて、「当時の人の感覚・意識はどうだったのか」をものすごく大切にしているという印象。先人達が必死に「国」について考えてきたことに対してまずは共感を示そうとする(批判精神はもちろん保ったままで)姿勢は本当に懐が深いと素直に感激した。知識や知的体力の面では及ぶべくもないけど、他者に対するまなざしのあり方として、極めて大きな示唆を得た。ような気がする。
政治とか近代史・現代史を専門にしている人には当たり前過ぎて退屈なだけの内容かもしれないけれど、そうじゃない人にはマジでおすすめ。
ボリュームとしてもの足りなかった点と、各事象に対する掘り下げが浅かった(よりみちパンセだから当たり前)気がするので8/10だけど、ほとんどパーフェクトに面白かった。『<民主>と<愛国>』読んでみるかなあ。さすがにその時間はないかなあ。


3:ウケる技術(6/10 ☆☆☆☆☆☆★★★★)

ウケる技術

ウケる技術

学部の誰か(I下かな)が「うちの班で超はやった」とか言っていた気がしたので購入。タイトルからしてバカにしてたけど、間違いなくこの内容は日々の生活で普通に使える!ほとんどの内容は僕も同じことを意識して使ってた(と言っても、僕の場合の結果は惨憺たるものだから「使える」の根拠には全くならないのだけれど…)。タメになるなあ、ってよりは「そうそう!」って感じ。こういう「ウケる」とかの方法論化ってとても大事だと思うのでトイレ文庫とかにして定期的に読んでいってもいいかも。


4:STEP内科2 感染症・血液(1/10 ☆★★★★★★★★★)

STEP内科〈2〉感染症・血液 (Step series)

STEP内科〈2〉感染症・血液 (Step series)

そもそもさして興味のない医学の中で、一番嫌いな感染症分野。つまらん。マジつまらん。なーんにも頭に入ってこない。限りなく0/10に近い1/10。
当たり前なんだけど医学的事実が書き連ねられているだけ(そうじゃないのかもしれないけど、僕の能力ではそうとしか読めない…)で、作業としてページをめくってるだけ。菌の名前も薬の使い方も単なる情報の羅列に見えてしまうのは僕だけなのだろうか…。好きな人ってこういうのを何度も読んだり、自然と覚えようという気持ちになったりして、気が付けば多く吸収してているのだろう。本当にうらやましいな。
まあそもそも学業と趣味の読書を同じ土俵で評価することが間違っているのかもしれないけど、確実に言えることは、好きで学業(や職業)に関係のある知識を身に付けていける人に、その分野を好きになれない人は絶対にかなわないってことだと思う。そこには、能力以前の圧倒的な才能の差がある(加えて、僕には能力もない)。
しかも僕は「自分には趣味の世界がありますから」と言い切れるほどの精神力もないので、結局はハンパな形で適当な満足を見つけて生きて行きそうな気がする。


結局のところ僕は漫画雑誌やら新書的な本やら適当な指南書やら、そういったものを統一感なく読んでいるだけで何一つ「身に付けて」いないなあと、最近つとに思う。大学に入ってまがりなりにも人様に「これを身に付けました」と言えることは、諸概念ををフォルダ分け/整頓しながら学んでいく方法(これだけは大学に感謝だけど、医学部に限らずどの学部にいても身に付けられる能力な気がするから何も特別なことではない…)と、わずかばかりの医学的知識(専門学校としての医学部!しかも知識の量は医学部内では最低レベル)だけだ。つまり社会に出てからの「資本」となり得る部分がかなりイケてない分量と質を誇る医学の知識だけなわけで、しかも上に書いた通りその世界では絶対にかなわない人が最初からゴマンといる。それに、「匹敵したい」「社会的に評価されたい(金銭面・名誉面問わず)」「ひとかどの人物になりたい」という欲望、僕はそういう発想(を全面に押し出す人)がものすごく苦手でそういう人間にはなりたくなくて(でも本当は自分はそういう人間だってわかっていて)、そんなこんなであれこれとあがいてきたつもりだけど、やはりその欲望からは到底抜け出せそうにない。ああ、半端だ。


そういう「あれこれに目移りするけど結局何一つ徹底できない」気質っていうのは僕の人付き合いにも如実に表れていて、僕を叱ってくれる多くの人がまず第一に言うことは「お前は八方美人なだけ」「根っこの部分でお前は人と仲良くなろうとしていない、深く繋がろうとしていない」だ。まさしく!
ああー、勉強も趣味も欲望も人間関係も全部が中途半端。中途半端やな〜。大木こだま師匠にご足労願うまでもない、そのくらい自分で言えるっつうの!


っておいおい、何でSTEP読んでて暗い気持ちにならなくちゃいけないんだ!ファックSTEP!大体STEP読みながらこんなこと考えてるから勉強がちっともはかどらないんだ。
切に願う。勉強は勉強で「割り切れる」能力、集中すべき時には他に目をやらないで済む能力がほしい。学業に限らず興味やら人間関係やら、とにかく目移りしないで「割り切りって」そこに集中できる人になりたい。公倍数になりたい。