diary

もしもし

アノマリー(anomaly)という言葉がかの国にはあり、一般の文脈では「例外・異例」という訳を付されることが多いかと思うけれど医学の世界では「奇形」という訳語をあてられることもしばしば。児のつつがない成長を見守ることを本分とするわけだから小児科に…

100色はくだらない。わかばの季節に町をあるけば駅までのたった四半時間は実に様々なみどりであふれていて、そこはみどりの王国でありシンフォニーでありカーニバルであり、照らされてはあざやかにきらめいて、目にうつる色とりどりはみどりだけで100色はく…

荒吐

日帰りでアラバキに行ってきた。深夜バス行き深夜バス帰りでそのまま今日は当直。ジーザス。 感想もなにもあたくし清志郎で胸がいっぱい、今まで見た中でいちばんかっこいい忌野清志郎はまさに神がかっており、完全復活を通り越して「死の淵から蘇ったサイヤ…

HEART STATION

宇多田ヒカルは今までひたすら「『あたしのこの孤独なんて誰にも理解できるわけないんだわ!』っていうこの気持ちを世界中の人にわかってもらわずにはいられないの!」を歌ってきた人だと思う。受容と共感のややこしい入れ子構造。それを歌にしたい、ではな…

60s 70s

地域医療研修ということで4月は近隣のクリニックで研修を積ませていただており小平を離れている。先週は東久留米、今週は国立通いだ。「こくりつ」ではなくて「くにたち」と読む。国分寺と立川の間に位置するから国立という、日本が世界に誇るなあなあ文化と…

ボチャン

西武新宿駅のトイレに、携帯電話(W51S)がダイブを敢行した。散る桜にも似た思い切りの良さだった。大便器に向かって立ちションを催していたときに生じたまさかのハプニング。水に沈むのは日本列島だけだと思っていたが、まさかそれ以外にもまるごと水没する…

marriage

ソウル・フラワー・ユニオンと曽我部恵一BANDが対バンをする。した。これはもはやビッグバン。分かっている、このペアを見せられたところで、それはここをご覧になるほとんどの人にとって全くありがたみのないブッキングに違いない。それでもやはりこの組み…

智恵子

地下鉄が苦手だ。閉塞感が高い上に車窓からのぞく風景もなし、とにかく時間が単調に過ぎる。東京のメトロ・ネットワークは確かにものすごく便利だけれど、利便性と引き替えの税金とでも言えばいいのかな、乗るたびに心がすり減っていくような気がしてならな…

サイフ

話のそもそもは16日の日曜日、懐かしの本郷お馴染みモンテローザビルは1階の魚民、板尾創路と南海キャンディーズしずちゃんを足して2で割った顔立ちで名を馳せるmumemoさんとビールなどいただき程よく酔っぱらう。終電などとっくのとうに、クワバタオハラの…

セブンと花粉

予感に満ちた春めき具合において、今日の昼下がりと肩を並べるいっときもそうはない。駅前から撤去された自転車を引き取りにゆったりたっぷりの〜んびりと街を歩き、回収した自転車でびゅうと風およびすれ違う人波などを切ってはまん丸い光の粒を受け、けれ…

新宿残酷物語2008 その2

(その1からの続き) It's the fallin´in love that's makin' me high. It's the being in love that makes me cry, cry, cry. Carole Bayer Sagerは"It's the fallin' in love"からの引用で幕を開けた魂の叫び第2部、愛するビア・カフェbergが立ち退きの危…

新宿残酷物語2008 その1

あっという間のできごとで私をすっかり恋に落とした、詩人の言葉あそびがそのまま形になったかのようにチャーミングな女の子が実はセカチューもびっくりで不治の病。はかなく可憐な闘病生活むなしく彼女の余命はいくばくもないのだ、うむむ。さあさてあなた…

張りぼて

バレンタイン・デイ。世の女性が愛情たっぷりにそのままでも食べられるものを溶かし再加工してはそれをいけしゃあしゃあ「自作」と言い張るその一方、男は日頃から積もりに積もった1年分の見栄を張る日だ。チョコレートを全くもらえない輩は「そんな義理みた…

カミソリ、犬

当直明けでそのままスウィーニー・トッドを鑑賞、その足で赤犬のライブ。 スウィーニー・トッド。愛情と善悪を切り離しながら、つまり愛情にまつわる情念や切なさと善悪の価値観を、同時に進行する全く別次元の営みであると映しながら、最後までロマンティシ…

どぉなっちゃってんだよ

今更ながら、みんなだいすき岡村ちゃんが3度目の逮捕。よっ!! ちゃん付けで呼ばれる犯罪者、被告界のカリスマ!ニクいね! http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2008/02/07/15.html http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=21&id=400895 対す…

We Love the Earth

私の勤める病院、その研修医室の壁には「松本人志のちょっとした言葉カレンダー2008」がかけられており、これは3日めくりカレンダーの体裁をとっているのだけれど、確かに「ちょっとした言葉」が3日に1度現れるにつけなかなか良い買い物をしたと日々満足をあ…

おはよう

曽我部恵一ランデヴーバンドのライブ。九段会館。前半の『sunny day service』全曲ギター1本弾き語りは思い出と発見が入り交じってとてもふしぎな気分。10年前と違って高音はかすれ、しかし肉感と説得力の増した声。ひたすら音程のとりにくそうなメロディ。…

断髪

オトナになりきれない私ですから。たとえば齢27にもなってRADWIMPSの新譜(asin:B000YGNR64)が好きだ、なんてウザいくらいにロマンティックなんだ、愛情に理屈や必然を求める一途さってイイよねウィヒィフィー!と公言できてしまう、謂わば10代のロッキンオ…

平素恐怖症

平素よりお世話になっております。日々格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。とまあこのような感じで他科コンサルト(この患者さん、そっちの科的にはどんな感じか診てあげてネ!の意)はその幕を開ける。平素、平素、平素、平素。とにかく一言、…

200 pounds beauty

カンナさん大成功です http://wwws.warnerbros.co.jp/200poundsbeauty/ http://movie.maeda-y.com/movie/01017.htm 見たら泣かないわけにはいかない、すばらしい映画だった。実際泣いた。周りのOLっぽい人(偏見)なんてみんな号泣していた。ストーリーは上…

行間

けどその分いっぱい食べるからー。これは何かというと酒席において自身の下戸を告白した女の子が、往々にして「私お酒あんまり(or 全然)飲めないの」に付け足す言葉。女性に特有のセリフと思われる。初対面の多い席などでは特に、かなりの頻度で(と言って…

ミュージック

音楽が流れている。テレビ、喫茶店、街の喧噪に、車輪とレールの奏でるリズムの中に、あるいはあなたの心が口ずさむ鼻唄に。そして、手術室に。これは比喩ではなく現実の話。手術室(医療関係者はオペ室と呼ぶ)では術中に音楽が流される。私の通った大学病…

謹賀新年

三が日もとうに過ぎおとそ気分も徐々に抜けきろうかというこの頃ですが、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。こんなに無内容な決して声に出して読みたくないブログでも、読んでいてくれる人がいるというのは非常…

とし子

今年最後のロマンティックのためには、呼吸器科の忘年会でとある看護師さんの言っていたことを思い出す必要がある。 まだ看護師になる前、私ピザーラでバイトしてたんです。それでそこの店長をすっごい好きになっちゃって、その時もやっぱり今日みたく忘年会…

レビュー

2007年、聞いたもの、読んだもの、見たものベスト。働きだしたら、びっくりするくらいにこういった「心の栄養」を摂取しなくなりました。来年の4月くらいに死ぬかも知れない。 アルバム 基本は2007年のもので。 次点:ゆらゆら帝国『空洞です』、スピッツ『…

産婦の雑感

産婦人科の研修がはやくも終わった。糸結びもろくにできない状態から始まったが、手術は本当に面白かった。来月からの外科も楽しみだ。 出産は最高だ。あれやこれやの喜びがいっぱいだ。帝王切開の後オペ室を出るときに「おめでとうございます」と言えるのが…

M-1に見るプロテスタンティズムの倫理と先祖返りの精神

今更だがM-1グランプリの感想。当日は所用で見られなかったので遅ればせながら3日遅れで。 僕は日頃ぜんぜん漫才を見ない全く熱心でないM1ファンなのだけれど、全体の印象として「漫才が20年巻き戻った」という印象。最終決戦に残った3組が3組とも目新しいこ…

みちくさ

イヴにはイヴらしいことを書かなくてはいけない。「クリスマスなんてキリスト教徒のうんたらかんたら」「聖夜がとんだ性夜だよ」と、浮かれたがりな人間の本性をくさす向きも世の中には随分と多いが、せっかく与えられたウキウキのチャンスを逃していてはサ…

倒置

腟内に下垂した子宮がついには外界へはみ出す、つまり子宮脱という疾患があるが、ここは思い切って「脱・子宮」と呼ぶこととしたい。まずひとつ、「脱構築」「脱ダム」などのキャッチフレーズのあるように「脱○○」といいう音の響きは文句なく格好が良い。さ…

株式

詳細は不明だが、大学生活におけるかなりの割合を占めた、時には全てのウェイトを占めることすらあった思い出のバイト先が赤ペン先生でおなじみの一部上場企業にあっさりと(かどうかは知らないし提携なのだろうが)形式の上では買収された。春になればレン…