新歓

僕はこの前の12月で入っていたサークルをやめて、そこは世界で一番すてきなオーケストラサークルなんだけど、そこの新歓に顔を出してきた。
顔を出すとかカッコいいこと言ってるけど別に誰も僕のことを求めている訳じゃなくて、そうすると、その昔サークルに籍を置いてた上級生がその上級性を笠に、新歓の空気を乱してきたってあたりが実際の所なのかもしれない。


随分とはしゃいだ。久しぶりに会う世界で一番すてきなオーケストラサークルの団員たちはやっぱり最高だった。愛すべきバカばっかりだった。それに、新歓にやってきた1年生の女の子はやっぱりかわいいし、女の子に限らず1年生はもう結構な年下で彼ら/彼女らのこれからが単純にまぶしくて、見守るって言ったらお前何様だよだけど、でもまあそう言う気持ちになった。その結果、大いにはしゃいだ。
地球の周りを一秒間で優に7周半できるそのスピード。光の速さを越えて時間を進まなくしたい、下手すりゃ止めてやりたいくらいに死ぬほど楽しかった。


で、やばい。本当にやばい。はしゃぎながらずっと心の隅っこの方で感じていて、家に帰って落ち着いてみてやっと言語化できたんだけど、こりゃやばいですよ殿。てめーダンカン、このバカやろっ!
自分の面白く無さっていうか、旧態依然さがやばい。はしゃぎとか喋ることのパターンがこの1年間で全然変化していない。内容も発想法もテンポもリズムも(ってそんなに大したもんじゃ無いけど)とにかくな〜んにも変わってない。ってお〜い、だから上の「てめーダンカン、このバカやろっ!」みたいな感じとかそういう所がいつもと同じで駄目なんだよ!
6つも年下の1年生の感覚っていうのはやっぱり新鮮で同時代的な空気に満ちていて、そういう雰囲気を自然に出せているのが本当にうらやましくって、話すたびにこっちの古くささが露呈していくみたいでつらかった。そこを見ないように、言語化しないように一生懸命だった。多分その結果、僕は大いにはしゃいだ。
うーん、これじゃあいかんよ。いけないルージュマジックだよ。


4月から病院実習を始めて、まあ授業受けてるだけの頃よりはるかに多くのことが頭に入ってくるし定着率も圧倒的にいい。つまり医学に関して少しは物知りになった感のある自分がいる。でも何だかなあ。何かが違うんだよなあ。
って毎日どこかで感じていたんだけど、そこで生じている違和感もまさに昨日新歓で感じたのと同じことなのかもって思う。つまり、自分自身に変化をもたらしてないんですよね、日々の暮らしが。「旧態依然」ってことばがまさにぴったり。ただ物知りになってってるだけで、それがもっと広い領域にフィードバックされていない。自分を有形無形に形どる精神的・肉体的なあり方、いや、そういう二元論では収まらないような部分も含めての自己のあり方に、病院で学んでいることがまったく響いてこない。知識は増えても刺激がない。
まあはっきり言ってしまえば病院実習からそういうものをつかみ得ない僕の人間としての器に問題があるんだけど、それにしてもこれじゃ困りました。
時は平成17年、進研ゼミやってりゃなりたい自分になれる世の中ですよ?なのになりたい自分に慣れない?そんなおかしな話があっていいんでしょうかお客さん!
最近あれこれものを考えていても、思考の方法のひな形が少なすぎて、また、思考の流れや事物に対するレスポンスがルーチン化していて、すぐに堂々巡りに陥っちゃう。そこからやっと抜け出した結論出したバンザーイ!と思ったらいつもと似たような経過をなぞっただけで、結論もいつも通り。考え事しても文章書いても人と話しても、全部そうなっちゃう。
あと2年。あと2年で社会に出なくちゃいけなくて、出ちゃったらますます色んな刺激を受けることなんてできなさそうな気がしてなりません。嗚呼、大ピンチです!


あれ、新歓のすばらしさ、サークルへの愛をつづるつもりが愚痴日記になっちゃった。
とにかく、やっぱり僕の愛したサークルは最高でした。うん、それだけでいいじゃないか。