100人中99人が「あいつは信用ならないよ」って言うような超嘘つき人間がいたとする。でも、100人中の残り1人が絶望の淵にいて、現実が辛すぎて、現実から逃げるためならどんなことでもしちゃうくらいに参っていたとしたら、その嘘つき男の嘘は救いになりうる。なるかどうかは分からないけど、なりうる。嘘つきがきまぐれについた何気ない嘘に、心が参っちゃってるその人は久しぶりの夢を見るのだ。
そうやって信用ならなさに対する需要と供給が一致したとき、そこには愛情だの信仰だのが生まれるのかもしれない。周りから見たらどうみてもあり得ないような人を好きになる人とか宗教にはまる人とか、そういう人にはやっぱり「マイナス要因でも需要と供給が一致しちゃえばそれを2人は恋と呼んじゃうよシステム」が働いているのかなあって何となく思った。