サロメ

オペラを見てきました。サロメ
大っぴらには経緯を言えないけど、チケットを色々してくれたWくんありがとう。君はいつも人が喜ぶことを最大の行動原理にしているから本当にえらい。かっこいい。


よかった。
夕方からだらだら飲み始めて日にちが変わったくらいに訪れるぐだぐだの酩酊感。エロいエロくないっていう感覚の麻痺、やっていいこと悪いことの区別はしっかりついているぜってつもりで全然ついていない状態、他者の視線の喪失、背徳の喜び、平衡感覚と判断能力の低下にともなう世界のゆらぎ、自分ではない何かが自分を動かす感覚、それに甘えて気が付けばやりたい放題やってる自分。その他もろもろ全部舞台の上で再現されていた。日常と隣りあわせの非日常が、まあよくいう言葉で言えば「耽美的」な快楽が、最初っから最後まで舞台空間を支配していた。色んな形の愛情と快楽が紡いでいくストーリー自体の魅力はもちろんなんだけど、赤と青の舞台に充満するそんな雰囲気がすごくよかった。
あとキリスト教ユダヤ教あたりについての素養があればもっと楽しめるんだろうなとも思った。


カナーン超よくて見えない所から声が聞こえてくる度にうっとりさんだった。
大体のあらすじは調べて行ったんだけど、ラストだけは見てかなかったから、最後の5分は鳥肌が立った。あんな終わり方が成立するなんて。