ちょ、待てよお前。

反省しなければいけない僕の悪い癖。それは、女の人につい「お前」って言っちゃうこと。


「お前」って呼ばれるのが嫌いな女の人はすごく多い。気がする。無駄に相手の気分を害する必要もないから「お前」なんて使わなきゃいいんだけど、男同士ではありふれたというか当たり前というかとにかくよく使う呼称なので、つい女の人にも「お前」って言っちゃう。酔ったりしたらもう大変、ひたすら「お前」を連呼。「オーマエリルガ〜!!」と熱唱。酔うってことは俺とお前と大五郎ってことだからしょうがないといえばしょうがないんだけど、こりゃいかん、いかんよ自分。


にしても何でそこまで「お前」嫌いなんだろうか、女の人は。
「お前」は「御前」なわけで、そもそもは相手を敬するための表現だってことを知らないのかもしれない。「お前」って言う人は無礼な人なんかじゃ決してなくて、むしろ極めて礼儀正しく、かつ礼節を重んじる人間なのだ。言ってみたらあれよ、サムライ。平成のサムライ。たとえ洋服に身を包もうと常に心は紋付き袴に二本差し、武士は食わねど高楊枝。
忠義に厚い21世紀の紳士が「お前」って呼び方で女性を呼ぶとき、それは原始太陽であった女性に最大限の敬意を表しているときなのだ。それを嫌がるなんて、一体どういう了見なのさ!あれだ、きっとメイクったりカフェったりするのに忙しくてそういうことを学ぶ機会に恵まれなかったんだろうな。言わばフェミニストの証とも言える「お前」を嫌がるだなんて、逆にその人がかわいそうになってきた。かわいそうな人には優しくしなくちゃいけないから、ますます「お前」とか呼んじゃ駄目じゃんかね。


あと、「お前」はダメなのに下の名前で呼ばれるのはオッケーみたいな人いるじゃん、○○って呼んでくださぁ〜いって。は〜ぁ?
「御前」ってわざわざ場所にして呼ぶことで相手をぼかしてるわけだからつまりは「あなたは高貴な人ですよー」のていで接しているのに(「あなた」ってのも場所だね)、それはダメで直接名前で呼べってさ。私はあなたのナイトになります、そんな騎士道精神をないがしろ。もう何が何だか!あと、武士と騎士と紳士がどんどんごっちゃになってるけどまあいいや、大事なのはそこじゃないことにしよう。


あー謎は深まるばかり…と言いつつわかった。わかってしまった!あれだ、「おま江」って人と名前間違えられてると思ってるんだ!あーそりゃ怒るわ、しょうがないわ。親からもらった大事な名前を間違えられてんだから怒る権利あるわ。あなたは確かに「おま江」じゃないもんね!
気づいてみればすっごい簡単なことじゃん。灯台もと暗しとはまさにこのことですな。ははは。


ああすっきりしたー。氷解氷解。疑問もバシッと解消したわけだし、明日からはバッチリ「お前」をやめられそうな気がする。やったよ!知恵の勝利!まってろよ、お前ら!