初恋の味

カルピスウォーターが好きだ。毎年、ある時期になると決まって、何かに取り憑かれたかのようにカルピスウォーターが飲みたくなる。他の飲み物のことなんかこれっぽっちも見えなくなって、胸がしめつけられるみたくなってドキドキする。心臓の鼓動が早まる。少しだけ息が荒くなる。積み上げてきた名誉や地位なんてどうでもよくなって、善悪の判断も一時的につかなくなって、そして、はっと気が付いた時にはカルピスウォーターを買っている。カルピスウォーターさえ手に入れば何でも良かった。反省している。と、被告は反省の色を見せています!ヘリ、ブロロロロロロ。以上、現場からの中継でした、安藤さんスタジオにお返しします!はいありがとうございましたー。木村さん、この事件についてどう思われますか?そうですね〜。


そんなこんなで今年も気が付けばカルピスウォーターを買っていた。見上げれば若葉の頃だ。季節はめぐる。


なぜ今この時期、そして夏にかけてますます、カルピスウォーターはこんなにも美味しいのだろうか。神がかっている。
例えば眠れない夜、カルピスウォーターを数えればいいなと思う。カルピスウォーターが1匹、2匹〜。草原をはね回るカルピスウォーター。それってすごく幸せな夜だよなと思う。ゆっくりと、1匹1匹に十分な愛情を込めて、一つずつ数え上げてていくのだ。
4492匹、4493匹〜。っておい、カルピスウォーターは飛ばねえよ!私って、甘ずっぺ〜!そんな一人ノリツッコミとかしちゃったりしてさ。そんな自分に「つうかそもそも4493の前に気づけよ!」みたいなツッコミまで入れたりしてさ。楽しくってますます眠れなくなっちゃうよ。
コマーシャルも毎年すてきだし、もう完璧。ああー好き好き大好きカルピスウォーター