CHIMPAN NEWS CHANNEL

こんにちは、動物の中でもずば抜けてIQの高い、チンパンジーのshoshoshoshoです。動物に向けた、動物による、動物のための情報番組を目指していく所存です。よろしくお願いいたしします。
さて今日の議題はチンパン保護のエージェントです。つまりチンチンとパンツを守る主体たる「チャック」の意義について考えてみたいと思います。


年配の方には顔をしかめる向きも多いかと思いますが、シャツの裾をズボンに入れ込む(タックイン)のって最近ではマイノリティですよね。以前はむしろタックインこそが基本であったというのに、なぜ。どのような理由でタックインはその勢力を減じてしまったのか。
それは「ズボンのチャックが開いていてもばれないようにするため」なのです。先日、友人のFumiくんとの熱い議論の末にそのような結論に至りました。
おそらく性別を問わず誰しもが、「しまった、チャックが開いてしまっていた!」と気づいた直後に「ああ、シャツの裾で気づきにくくなってて助かった」と胸をなで下ろした経験をお持ちでしょう。タックインしていた場合、全開のウィンドウからパンツのみならずややこしくよれたシャツの裾、下手をすればマジック用の花ステッキ、時報の鳩までがホロッホー顔を出すわけですから、まず間違いなく他人に気づかれてしまいます。このダメージの差は大きい。
パンツ、そしてチンチン。人間が社会生活を営む上でどうしても隠し、守る必要のあるこれら二物(略してチンパン、と称することとしましょう)を衆人の目にさらさずに済む、ひいてはチンパンに訪れる様々な危機(視線、熱湯、アツアツのおでん etc)のダメージを軽減できる。これらの観点からやはり、「非タックイン」に軍配を上げざるを得ません。


さてさらに、この「非タックイン」の流れが徹底された場合、将来的には「非タックインの上で、チャックは開いてるのが普通」というフェイズの到来が予期されます。「開いてしまっていて大丈夫なように」の先に「開いていても大丈夫ならば、最初から開けておいても構わない」があるのは自明のことですから。
ここに来て、シャツの裾部は「ヴェール」としての役割を与えられることとなります。青空に祝福され頬を赤らめる純白の花嫁、彼女たちが人生で最も輝けるその瞬間の表情を敢えて覆うように、シャツの裾はチンパンを慎ましやかに覆い、隠します。隠しつつも隠れない/隠されつつも主張する、チンパンとチャックのマリアージュ。甘やかな蜜月の訪れです。両者が手を取り合うバラ色の日々、何やら私まで幸福な気分になってまいりました。そして正直を申せば、そろそろ自分の頭が心配になってまいりました。


既に現在でも、見せるためのブラひも、股上から見えるようにロゴのあしらわれたトランクスなどが一般に販売されておりますが、チャックを開いてはかれることを前提にデザインされたズボン。シャツ裾ヴェールの向こうに垣間見されるためのパンツ。そのようなアイテムの実用化、商品化の日もそう遠い未来ではないでしょう。そのような現実を実際に迎えた時こそ、人類がチンパンに関して新たなステージに立った瞬間と言えます。まさに世も末です。