ベルベット

CDTVにゲストライブで出演していた倖田來未さんはひところに比べて随分と肌を焼かれたようでして、小麦色の肌、もちまえの愛嬌とアジアンテイストただよう目鼻立ち、その明るいしゃべり口などあいまって、まるでフィリピンパブにあらわれたとびっきりのホステスさんのようでした。
と、これだけを書くとあたかも私が倖田來未さんのことをあしざまに述べているだけのようにも受け取られかねませんが、彼女の計算づくは並はずれたものでなく、キャバレーテイストのお手本のようなお水スーツ、大きな白玉を大胆にあしらったネックレスときたのです。現実にどうかはぬきにして、イメージとしての「フィリピーナ」がそこに映っていました。加えてお水スーツの色はめくるめく黄色、ブラウン管の向こうで歌うディーヴァの姿はまるでフィリピン産のバナナのようでした。フィリピーナの風貌でバナナスーツに身を包むさまはまさに圧巻、夜のフィリピン仮装大賞です。この瞬間はれて、名実共に倖田來未さんはフィリピン親善大使になったのです。


それにしても、ステージ上から投げかけられる彼女の「満面の笑み」はいったい何なのでしょうか。あたしの笑顔がちょっとでもね、みんなの、そのね、元気ちゅうんかなあ、明日もガンバロって気持ちになればって思うんですぅ。とでも言いたげなその、100%の善意とずばぬけたプロ意識が繰り出す濃厚なスマイル。それはまさに「営業スマイル」なのであって、無料でだらしなく見ていられるのがウリのテレビで私はなぜそんなに脂っこい応援メッセージを受け取らなくてはいけないのかと。元気出すかどうかはこっちが自分なりにメッセージを受け止めて決めるっちゅうんじゃ!心の隅でそう思わずにはいられない自分がいます。


以上なんやかんやと書いてきましたが、倖田來未のしゃべり方、好きです。