その1 東京バンジージャンプ結成

朝起きたら日本酒が一升近くカーペットにこぼれてた!
ななななんじゃそりゃあ!

今日電車の中で隣の制服の中学生がバンドやってるみたいなことをしゃべってて,すごく懐かしくなったからあの頃をちょっと思い出してみようかな,思い出してみようかな,君がいるかな,君と上手く話せるかな!(くるり「東京」)

西暦1995年。阪神大震災オウム真理教の事件が起きた年でテレビをつけると日本中がざわざわしていてでも厚木市毛利台の空気は相変わらずののどかな顔で毎日はいつも通りに過ぎていって、そして僕は中3だった。
雑誌の裏表紙とかに載ってる冴えない通販ギターを買った友達に誘われるようにしてドラムを始めた僕。いつも遊んでたもう一人にベースを買うよう丸め込んで、カラオケから判断するにかなり歌の上手い(そしてかわいい)クラスの女の子を誘ってバンド結成!東京バンジージャンプ。これが僕の初めての、っていうかその後バンドとか組んでないんだけど、とにかく記念すべき初バンド名だったのだ。
東京バンジージャンプの最終的なレパートリーは3曲。Oasis の「Live Forever」 、スピッツの「スパイダー」、オリジナルの「東京バンジージャンプのテーマ」。いつも集まってはだべってるズッコケ3人組は折しもかっこつけで洋楽を聴き始めた頃で、バンドさやるんなら洋楽やんねぇとだめだべぇ?しかも世界一かっこええ Oasis やんねばどうすんのよ?的な流れで即決。まあなまりは嘘です。「だべって」の「だべ」のせいで気が付いたらこんなことになってたんです。2曲目のスパイダー、これはバンドの4人組が全員効いてたラジオ番組(伊集院光の Oh! デカナイト)のオープニング曲だったことから即決。アクセスとかもオープニング曲でながれてたんだけど、そこじゃなくてスピッツを選んだところにちょっとしたセンスの良さを感じていたわけです。しかもバカ売れしたロビンソンじゃなくて、敢えてスパイダーというこの流れにセンスの良さを託すという今思うとまあダメな中学生たちです。大体 、ボーカルは女の子なのに2曲とも男ボーカルものだし。で、最後が東京バンジージャンプのテーマ。オリジナルも必要だっぺぇってことでね。内容はコード進行(毎回変える)だけその場で決めてギターとベースがそれを全速力でかき鳴らしまくって、ドラムもとにかく全速力で適当に叩くだけ。で、ボーカルが東京バンジージャンプ!東京バンジージャンプ!って飛び跳ねながら叫ぶだけ。疲れすぎて大体20秒くらいしかもたないの。たまに東京棒々鶏!東京バンバンバンババンジージャンプ!とか三宅裕司風アレンジを加えたりもしてやってたなあ。
東京バンジージャンプ、東京バンジー、東京棒々鶏、東京サマランチー、東京ムツゴロウと愉快な仲間たちー。毎回こんな感じで歌詞が変わってた。ダウンタウンの「第1回、チキチキ、アイスコーヒーはどこまでアイスコーヒーか」企画のまねごとパンクみたいな曲が馬鹿みたいに楽しくて,集まるたびにずーっとオアシスもスピッツもそっちのけでこればっかやってた。

続く。