tksnさんにお誘いいただいて、観劇。イキウメ「短編集」。
tksnさんはいつの間にかひげをがっつり蓄えてえおり、ハンチングをかぶるその姿はまさにコモン(「Be」のジャケット)そのものだった。


さてお芝居。人間の身体と精神、あるいはその死(それぞれの死)についてのヴァリエーション5本からなる短編集。前半4作は起伏に乏しく(それは明らかにわざとだと、後に判明)、セリフも進行も単調で、正直「あーこりゃ観に来て失敗したかなー」だったんだけど全然そんなこと!なかった!


休憩時間を挟んでの5本目。これが本当にすばらしい。内容は「恋人の死」という、「セカチュー以降」にあってあまりにベタベタものなのだったのだけど、ありがちなテーマに対する全力投球が本当に気持ちよかった。設定も言葉も、強い意志に満ちていた。科白も前半4本とはうって変わってレトリックに溢れ、かつ平凡で、なのに輝いているという絶妙すぎるバランス感覚。現在形の多用によるテンポ感が小気味よく、かつ効果的に生の喜びを歌っていた。ように思う。明らかに、この5本目を効果的に見せるために前半の4本があったんだなあと思うくらい。しかも同時に、5本目の物語が前半4本を束ね、彩り、気が付けば5本のストーリーに優劣がなくなっているような不思議な感覚。5本目を見終わると(つまり全体を見終わると)、急に4本目までが輝いて見えてくる。
全体を振り替えれば結局、通底する「死」というテーマについて完璧と思えるような解答の1つを与えていた。ように思う。


観終わって、大満足でした。まあ途中寝たけどそれはいつものことだしね。
よかったー。