ダメを愛する

散々っぱら飲んで酔っ払っているときの「実のない実学」って何でこんなにも楽しいのだろうか。どういう人がタイプだのお前誰々と付き合っちゃえよだの。最高のシチュエーションは何か、自分がその立場だったらどのライフカード出すか。知った所でおよそ役に立たない議論の数々が「現実に即している(ような気がしてくる)」という一点においてのみ実学!ほんとは、役に立たないを通り越して「人生の大損」なのにな。でも僕はそんな時間が大好きさ!やっぱダメな時間ってのは大切なのだ。
そもそも僕がお酒を好きな理由って、味はもちろんなんだけど、「ダメな所がいっぱいある」だと思う。しこたま飲んで、気持ち悪すぎて吐きまくって、追い打ちをかけるかのように次の日に死にたくなるような二日酔いになるからこそ。酔っ払った次の日起きてみるとつい全裸で寝ているからこそ、パンツが部屋の片隅に転がっているからこそ。酔ったときに色々とどうでもよくなって散財しちゃったり、ついベランダから好きな人の名前を叫んじゃったりするからこそ、お酒が好きなんだ。


もしお酒が、きちんと酔っぱらえるんだけれども、いくら飲んでも全く吐かずに済む上に二日酔いを一切惹起しない飲み物だったとして、僕は今と同じようにお酒を好きなのだろうか。答えはノー!絶対にお酒のことを今みたいには好きじゃなかっただろう。あれだけ辛い二日酔いに悩まされてきたからこそ、僕はお酒が好きなのだ。お酒はダメな飲み物だからこそお酒なんだし、だからこそ最高の飲み物!今僕がいいこと言いましたよ!