雨の火曜日

モワモワしたあれが何だか好きだ、雨が振った日の髪の毛。女の人の。下手したらカラアゲより好きかもしれない。


うつくしきもの、瓜にかきたる稚児の顔、雨ふりて女の髪のモワモワしたる。まっすぐな黒髪がぼうっと膨らんでいるのも存在感があっていいし、ウェーブのかかった茶色の髪がふわふわとしているのもいい。いや「いい」を通り越して「ウィイ」と言ってさしあげたい。
街ゆく女の人たちの髪の毛が淡く広がると、街の空気が心なしか「ゆるく」なるような、風景がやわらかくなるような気がする。雨の日の窓では光がぼんやりとするのと同じで、街の輪郭がすこしだけぼやける。時間がゆっくりとする。そこが、ウィイ。今現在の髪長が1mmにも満たない僕にとってその思いたるや格別だ。ああ何とすばらしいんだろうモワモワって。いつでも探してしまう、どっかに君の姿を。ワンモワモワタイム・ワンモワモワチャンス。


今日の午後はスターバックスでコーヒーを飲みながら(スタバにもカフェ・モワがあればいいのに!)、久しぶりの雨、長月の湿気がもたらした幸福を堪能していた。いやいや整髪料なんていらないから!君は生まれたままの髪でモワモワしていた方がウィイから!そんな余計なお世話も時に織り交ぜつつ、どことなく夢のような時間が流れた。いやあモワモワ最高。前言撤回、カラアゲよりモワモワの方が俄然好きだな。


あ、いっそ雨の日にカラアゲを揚げたら「モワモワしたカラアゲ」が出来上がるかもしれない。そうしたらそっちの方が好きの二乗だからもっと好きかもしれない。いやでも衣がモワモワしてたら美味しくないだろうしビールにも合わないなあ。あれ、雨の日にビールついだら泡がモワモワするんじゃないかな…ってそれは元からか。じゃあやっぱり女の人の髪がモワモワしているのが一番!


なんてなことを考えていたらちょうど日が暮れた。気持ちがモワモワしてちょっといい一日だった。