ここのところ空が無性にきれいだとは思わないだろうかみなさん。文句なくきれい?超きれい?それより語学留学がしたい?イエス、全部正解!
明け方も夕暮れもすばらしいけれど何をおいても堂々たる青。青空。コンクリートの灰色を抜けてのぞく青空が好きだ。最高にクールじゃないか。かの高名な詩人の妻は東京には空がないと言ったらしいけれど、東京でなくては見られない空がそこにはあると思う。いや間違いなく、ある。板垣死すとも青空死せず!みたいな。自由民権青空みたいな。
色、高さ、透明度、その他「空」を彩る任意のパラメータ、その配合の黄金比。あるいは、どんな媒介変数にも決して還元されない、任意の瞬間が固有に持つ固有のうつくしさ。僕の陳腐なイマジネーションでは「これ以上」を決して想像し得ないような、この時季にだけ許された特権的で完璧な青空だ。板垣死すとも青空 she says!いや言いたいだけで意味なんてないです、すみません。


僕が小学校に入るよりも前のことだから赤西君が「留学」に興味を示すよりもずっとずっと前の話になるだろうか。僕は汽船がすごく好きだった。何かの絵本で見たのかはたまた幼児の勝手な空想なのか、蒸気船のはき出す煙はそのまま雲となり青い空に浮かぶのだとわけもなく僕は信じていて、大好物のプリンにもあこがれのクジラにもなれる雲は物言わぬヒーローだった。今日もどこかで雲をたくさん生み続けている汽船、僕にとって車よりも飛行機よりも魅力的な夢の乗り物。あれは何かを信じるのに根拠なんて必要のない、ぜいたくで幸福な季節だった。


昼下がりに食後の散歩をしながら、そんなことをぼんやり思い出した。空って毎年どんどんきれいになっていくな。