a star has come back.

私たちの研修生活を日々取り仕切り実りあるものとしてくれている、敬愛する臨床研修部長の先生がこの度還暦を迎えられたとあっては、ささやかながらも慶祝の会を催させていただかないわけにはいかないだろう。赤いちゃんちゃんこ・赤い帽子・赤いスイートピーなど取りそろえ、気持ちばかりの会を用意させていただいた。会の最後には逆に先生から贈り物をいただいてしまい、恐縮することしきりであった。ありがとうございます、先生。I will follow you 付いていきます。


さて会も開かれ散り散りに揺れる帰り道のすがら、極私的にはまさしく奇跡ともとれる邂逅が訪れる。西武新宿線の誇るギャング・ストリートは田無駅北口前通りを酔いにまかせて濶歩しているとどうだ、向こうから見覚えのある顔がやってくる。そう、天下に名高い田無ギャング。ではなくスタバの店員さんである。文京区は本郷、本郷通り沿いのスターバックスに勤めていらっしゃる、少々挙動不審な(しかし天賦の愛嬌に満ちた)あの男性店員である。あのスタバに通ったことのある人ならばそれだけで誰のことだかわかるだろう。
思えば、いや思わずともあのスタバには散々っぱらお世話になった。卒業試験の前の詰め込み、「どこが出るのか教えてくれよぉーサクセス先生…」的な同級生への泣き寝入り、国家試験前の詰め込み、「どこが出るのか教えてくれよぉーマサミチ先生…」的な同級生への泣き寝入り、その舞台となったのはいつだって彼の地のスターバックスだった。その他、あまたの思い出があの店と共に私の脳裏に刻まれ、そしてそのかげにはいつも80円のバナナ、やたら背の高い女性司法浪人生、昼間から窓際でパソコンいじってばっかのカツラのじじい、そしてあの店員さんがいた。


田無にして本郷に出会う。学生時代がはやくも懐かしい。久しぶりに本郷行きたいな。