卒業試験3日目

「割合」が分からなかった。小学生のあの頃「全体を○としたとき」の意味するところが呆れるほどに理解できず途方に暮れていた。「全校生徒の数を1としたとき」っておいおい、全校生徒は487人じゃん!と教科書に挿されたわけの分からない宇宙人の絵(算数のポイントを教えてくれるヨ!)に怒りを覚え、ヒゲを書き足し「ウンコ」と吹き出しをかぶせてはうさ晴らしに変えていた。


その後、今振り返って「比例」にあたる計算方法(当然「比例」などという高尚な概念は知らなかったヨ!←宇宙人の語尾)を偶然に編み出しボンヤリと正解を出せるようになるにはなったものの、依然「割合」に対する理解度はゼロのまま。このまま一生割合を理解出来ずに死んでいくのだな。咳をしても一割。などと思っていたらどうだろう、中学生になったあたり、気がつけば自然と割合の何たるかを理解している自分がいるではないか。我ながら驚いたものだ。あれ、僕、割合のこと結構分かってるヨ!


あれから幾年、来春には大学を卒業せんとする私だが、見事なまでに「神経内科」がわからなかった。余裕だと思われていた「循環器内科」すらも危険極まりないでき映えであった。教科書にも試験の過去問にももはや宇宙人の姿はなく、僕は一人で各科の試験問題と闘わなければならない。あの頃あんなに、「wordのイルカ」級にジャマだった変な触覚のアイツが今や愛おしくすらある。あの変てこな触覚をなでたい。割り合いたい。


2、3年の後のある日突然「神経内科」「循環器内科」も「割合」と同じ感覚で理解できていたりはしないのだろうか。あ、俺、全部わかっちゃってるヨ!ヤバ、これ下手したら正答率9割超えるんじゃね??昨日の夜ちょっと勉強し過ぎたわー。ああ損した〜。そんな風景。
…すいません、今すごく調子のいい夢に逃げてました。勉強もせずにそんなわけないです。それによく考えたら3年後まだ大学生なのは厳し過ぎます。


というわけで、来週も同じ生活が続く。今から憂鬱だなあ。