きたるらし

花の匂い、空の青、風の心地、人それぞれ感じ入る対象こそ違えど秋が今まさに季節を染め上げようとしていることに疑いはなく、近頃はサンダル履きの足下も少々冷える。酩酊してなお夜風を肌寒く感じることも増えてきた。そろそろきちんと長袖支度をしなくてはならないようだ。
秋を迎える心の準備未だ整わず今しばらく夏の名残とたわむれていたい。というのが正直な所なのだが、衣服が変われば心持ちも変わるだろうか。秋を抱きしめられるだろうか。サークルの後輩は今日すでに、カーキのブーツをはいていた。


枕もほどよく済んだところでここから話のグレードは急降下する。そう、何はともあれトランクスである。男性用下着のあれだ。
我が家では夏場を快適に乗り切る部屋着として上はTシャツ下トランクスいつも心にバラの花束を正式採用しているのだが、これが実に難儀な事態を招いている。冷えるのだ。極めて冷えるのだ、朝方に。明け方の冷気が僕の寝起きをひしひしと脅かす。何と言うか、マジさみい。こもる熱と湿気から僕のあそこら辺を完璧にあれしてくれていたトランクスの通気性が、完全に裏目に出ている…。


ならば重ねて一枚はいて寝れば良いではないか?それは確かに正論中のセイロン島だが、股間が冷えるとダジャレも冷えきるわけだが、「一枚脱ぐだけ/はくだけ」の快適さ、一度はまるとそう簡単に抜け出せないのだ。多少冷えても構わない。トランクスと共に夜を寝たい。毎年そう思ってはダラダラと「はき時」を逃しながら十月を迎え、そして本格的にお腹を壊す羽目になる。泣きたい、ポンポ痛い痛いが今から不安で仕方がない。また、悪い癖とは知りつつ酔いが過ぎ何もはかず蒲団もかぶらずに寝てしまうこともままあり、それはもはや自殺行為に等しいだろう。Shoshoshosho、トランクス一つはかなかったせいで死亡、享年26才…それだけは何としても避けたい。


今日もビールを飲んで気持ちよい塩梅になってしまった。このままだと確実にトランクス一丁で寝ることになる。うーむ、トランクス一枚ばきでなおかつ冷えない方法はないだろうか。