あべこべ

男なら誰しもが言ってみたいこのセリフ大賞、栄えある第1位にさんぜんと輝くあのフレーズ、そう「うちのコレがコレでさあ」について考えたいと思います。
念のため解説しておきますと1つ目の「コレ」は親指から薬指を折り小指を立て、相手に手の甲を向けながら発せられる「コレ」です。次いでくり出される第2の「コレ」は手のひらを卵形に丸め、お腹の前で雨上がりの虹を描くしぐさで「コレ」です。うちの嫁さん妊娠中でさあ、というあれのことです。前者を「コレ1」後者を「コレ2」と呼びましょう。


うちのコレ1がコレ2でさあ、つまり「うちの奥さんが今妊娠していてさあ」というひとこと。これはもう酒席を欠席する言い訳、同僚との会話、同窓会での話題作り、ハイキング、米騒動、だてめがね、炊き込みご飯、あらゆる場所に応用の利く万能のことばですが、ここは思い切って「うちのコレ2がコレ1でさあ」とジェスチャーをひっくり返してみましょう。するとどうでしょうか、ぜひ自分で手を動かしながら想像してみてください、おなか、小指の順番です。この一連のしぐさが指す意味内容は「うちの奥さんは今妊娠していてさあ、しかもその子は女の子なんだよ」に変化するではありませんか。コレ1→コレ2をコレ2→コレ1の順に変えるだけで、トータルの手間は全く変わっていないのに「赤ちゃんは女の子」の分だけ情報量が純増するわけです。これって結構すごくないですか?私の中では今週イチバンの驚きなのですが。


気をつけたいのは、「うちのコレ1がコレ1でさあ」「うちのコレ2がコレ2でさあ」としてはいけないという点でしょうか。完全なキチGuyだと思われてしまいます。また、うちのコレ1がコレステロールでさあ。これも避けるべきでしょうし、うちのコレ1がマコーレー・カルキンでさあ、はほぼ禁忌と言えます。完全なキチGuyだと思われてしまいます。ええと、何だかもういいや。お休みなさい。私のお墓の前で泣かないでください。